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| 川に落ちるよう |
◆湯泊温泉
海に面した露天風呂を見学するために坂をおりていくと、川に落ち込むように伸びるガジュマルがあった。
ガジュマルは毛細血管のように根を伸ばし侵食していく。ここのガジュマルは「まだ地面に届かないよー」とひたすら伸ばし続けているように見えた。
そして海の側には温泉があるにはあるが…見晴らしのいい場所に脱衣所などはなく、ひとつの湯船に仕切りがあるだけ。もちろん水着着用は不可である。
「さすがにこれは入れませんね〜」といいつつ、足だけでも浸かってみようと衝立を回り込んだら若い娘さんが入浴中だった…。すみません、おじゃましまして。
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| くぐることもできる |
◆中間のガジュマル
ひたすらガジュマルスポットめぐりであるが、次に連れてきてもらったのが中間地区。低い石垣の塀や低い屋根が南国らしい。
現代風の住宅もそれなりにあるが、こちらのガジュマルもまた風情があってよろしい。ガジュマルをくぐるように道が通っているのだ。
あぁ登ってみたい、ぶらさがってみたい…。
そんな衝動をこらえつつ下をくぐり、遠くから眺める。
こちらのガジュマルも触手を伸ばすように地に向かい、アンテナを巡らすように枝を張り巡らしている。
ヤクスギとは違う存在感に圧倒されながら見上げていた。
◆西部林道
ガイドさんは大川の滝のバス停近くで一度車を停めた。
滝は初日に見ているので今日はそこまで降りないが、このバス停の近くに湧き水があるのだそうだ。知っていれば初日にも飲めたのに…。
空になったペッボトルにおいしい水をつめて先へと進む。
ここからは大型バスは入れない。道は一方通行ではないが幅が狭いので、対向車が来たらすれ違うのが大変そうだ。
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| ケモノや鳥の声が聞こえる |
「少し歩いてみますか?」ということで途中で降ろしてもらう。
清々しい空気を味わいながら、ひとっ子ひとりいない道路を散策する。この道の下はすぐに森で、聞こえるのは木々のざわめきやケモノの声くらいである。
ん? ケモノ?
西部林道はヤクシカやヤクザルに会えるスポットでもある。
車の中からならいざしらず、生身でヤクザルに遭遇したらちょっと怖い…。でも声は聞こえても姿を見たのは、車に再び乗り込み西部林道の出口付近であった。
◆灯台から温泉まで
灯台へ到着。海の上に広がる雲の下に水柱が見える場所がある。
こちらはまだ晴れているが、あそこはきっと雨なのだろう。なんだか不思議。
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| 灯台から |
高台から集落が見えた。永田である。
ここの浜はうみがめの産卵地であり、ちょうど今は産卵期なのでエコツアーも出ている。
見てみたいと思い探したのだが、あいにく空きがなくて申し込めなかった。
ここにはうみがめ館があるので見学してみたが、バケツの中に放流される予定のあかちゃんたちがいた。…かっ、かわいい…。
またガイドさん秘密の浜辺へ案内してくれる。ビーチサンダルも貸してくれたので、人気のない浜辺でしばし波を楽しむ。
何だかロマンチックなシチュエーションだが、一緒に遊んでいるのはガイドのおっさん…。
気を取り直してしめくくりに大浦温泉へ。
こじんまりとした浴槽に浸かり、待合室で麦茶をのんでくつろいでいると、外は晴れているのに地面が濡れていた。
どうやら雨が通り過ぎたようであった。
そのまま宿まで送ってもらい観光終了。やはり車があると便利だ。
思ってもみないところに案内してもらい、昨日のトレッキングで筋肉痛だらけだったので車移動というのもありがたかった。
いきあたりばったりではあるが、なかなかいい日程の組み方なのではないだろうか。
◆レモンティーを探せ!
夕飯までまだ時間があるので散歩に出る。そうだ、昼間みた屋久島の水で淹れたレモンティーを買ってこよう、と近くのコンビニに寄る。
店内を見てもそれはなく、ドリンクコーナーには一列だけぽっかりと空間が出来ていて、ここにレモンティーが陳列されていたのではあるまいか? と思い店員さんに声をかける。
お土産用なので冷えてなくてもいい。在庫があればもらおうと思っていたのだが…。
店員さんはドリンクコーナーを見て、裏の倉庫も見に行ってくれたが「あらーないわー」とのことだった。ならば仕方がない。まぁいいか、と思っていたら、坂の上のコンビニに電話をかけてくれた。…い、いやそこまでしてくれなくても、と恐縮する。
結局坂の上のコンビニにもないそうで、お店を出ると宿のオーナーに出くわした。
ここから宿までは歩いてもそう距離はないが、車に乗っていかないかということでワゴン車に乗せてもらうことにした。ついでにレモンティーのいきさつを話してみると、いきなり宿とは別の方向にまがる。スーパーの前に車を停めると「ちょっと待ってて」と私を助手席に残し店内を探しにいってしまった。
あぁぁぁ、ほんとにそこまでしてくれなくても大丈夫です。とひたすら恐縮していると、やはりスーパーにもなかったらしく、クマみたいなオーナーの顔が曇っている。
いやほんとに気にしないでください、と答えるとワゴン車は更に山道を登っていく。どこに連れていかれるのかと思ったら「ここ、工場。ここならきっとあるから」と降ろされた。
外灯などはなく暗かったのだが、私たちが降り立つとセンサーが反応してか強烈なサーチライトがぐるぐる回り始めた。こんなとこ入っていいんですかー! とオーナーに訴えてみても「大丈夫、大丈夫」と進んでいく。そしてここの自動販売機にようやくレモンティーはあったのだった。
しかし自動販売機の電気も消えているので手元が暗くうまくお金が取り出せない。もたもたしているとオーナーが得意げな笑顔で携帯電話をぱかっと開けた。驚いた、携帯の液晶ってこんなに明るいのか。妙な発見をしつつようやくレモンティーを手に入れたのであった。
帰り際、宮之浦の夜景が見える高台に連れていってくれた。
真っ暗な海と真っ暗な森に挟まれて、小さな明かりの群れは暖かく感じる。明日はもう帰る日だ。しばし感傷に浸ってみた。まぁ、一緒に見ているのがやはりおっさんなのだが…。
さすがは生まれも育ちも屋久島のオーナー、この辺の道を知りつくしている。しかし真っ暗で狭い山道を結構なスピードで降りていくのはやめて〜。
ひとり心の中で絶叫しながら夜のドライブは終了したのであった。 |